瑕疵担保責任免責の中古物件を買うのは危険すぎる?

SUUMOなどの不動産情報を見ていると、たまに「瑕疵担保責任免責」(かしたんぽせきにんめんせき)と書いてある中古物件を目にすることがあります。白アリの被害や雨漏りなどの家の不具合が購入後に見つかっても売主は責任をとりませんよ、現状で引き渡しという条件ですよ、という意味ですので保証がない怖さを感じてしまいます。実際のところ、瑕疵担保責任免責の物件はどう考えるのがよいのでしょうか?

自分は興味を持った物件に関してそれを取り扱っている不動産屋さんに電話して聞いてみたのですが、通り一遍の説明しかなくて釈然としない思いだけが残り、その物件を買うのが怖くなっただけでした。瑕疵担保責任免責が普通のことなのか、特殊なことなのか(売主が何か不具合を隠す意図などがあって)を知りたかったのですが、不動産屋さんの営業の人の態度がそっけなくてあまりそのへんのところがわかりませんでしたので、ネットの情報を見てまとめておきます。

瑕疵担保責任免責って普通なの?

SUUMOとかATHOMEなどのサイトを見ていて、瑕疵担保責任免責という言葉はたまにしか見ないので、これは普通ではないのではないかと疑心暗鬼になってしまいます。そのへんはどうなのでしょうか?

個人で中古住宅を売買する場合、「瑕疵担保責任」を「特約」に記載しても構わないとされてはいますが、多くの場合では「瑕疵担保責任免責」となっています。(【行政書士が警告】瑕疵担保免責の物件はリスクあり!安い理由は「訳あり」 2017/07/05 akicomp.com

売主が誰(個人なのか会社なのか)ということを把握することがまず必要のようです。不動さん屋さんが単なる仲介に過ぎない場合は、売主はあくまで個人なので、瑕疵担保責任免責というのは特別なことではないようです。不動産屋さんが所有権を持つ自社物件の場合には、瑕疵担保責任を持つことが義務付けられているとのこと。なるほど上記のウェブサイトは説明がわかりやすくて、電話で話した営業さんが答えてくれなかったことを明解に説明してくれていました。

上のウェブサイトでは、再建築不可物件がしばしば瑕疵担保責任免責になっているのこと。逆がどうなのかわかりませんが、瑕疵担保責任免責であれば、再建築不可物件かどうかを確認する必要がありそうです。建物の建て替えができないとなると、土地だけでもあれば財産になるしという考え方が意味を持たないでしょう。

おなじく上のウェブ記事の説明によれば、瑕疵担保責任免責の中古住宅が任意売却の物件になっていることもあるので注意が必要だそう。前の持ち主がローンを払えなくなった場合に売却するというケースらしいです。その場合には、売買に債権者も絡んでくるとのこと。ややこしいですね。

個人が売り主の場合には瑕疵担保責任免責が普通なのかどうか、別のウェブサイトの記事も参考に見てみます。

みなさんが売主になる様な中古不動産の場合は、不動産仲介業者は通常、瑕疵担保責任の免責条項を契約書に入れ、買主に対してもきちんと説明してくれます。基本的に個人が売主の中古不動産の場合、一般的には『現状有姿』という形態です。(不動産売却するなら瑕疵担保免責について知っておこう 2016/12/27 sell.yeay.jp

どうもそうみたいですね。と思ったのですが、

個人が売主の場合の売買契約では、売主が瑕疵担保責任を負う期間を2~3カ月程度に定めるケースがほとんどだ。なお、売主が不動産会社の場合は、宅地建物取引業法により瑕疵担保責任を負う期間を2年以上としなければならない。(不動産売却時の瑕疵担保責任について SUUMO)

SUUMOの解説を読むとニュアンスが若干異なっていて、0か月じゃなくて、2~3カ月とあります。個人が売主だから無いのが普通とは読めません。結局疑問が一周してしまいました。

結局、瑕疵担保責任免責って普通なの?

なかなか悩ましい問題です。

はっきり言ってしまえば、その落としどころを見つけて契約に至らせるのが「不動産仲介業者」の仕事なのです。業者はその仕事で仲介料をいただいているのですから。ただ、今回のケースのように瑕疵担保なしで購入する代わりにできる要求といえば、結局は値引きしかないのです。買主は、見えないリスクを承知で購入するのだから、その分まけてくれ、ということです。ですが本来は、全くの瑕疵担保責任なしというのは、一般の方にはあまりお勧めできない契約形態です。(瑕疵担保責任が付かないって、普通ですか? YAHOO!JAPAN知恵袋

いろいろ他の情報も見てみますと、

以下のような物件を瑕疵担保責任の免責にすることがあります。・建築年数が古すぎる物件の場合 ・建物の価値がほぼない物件の場合 ・古家付きの土地を「土地」として売買する場合 ・引渡し後に建物を解体する場合 どれも同じような意味合いになりますが、建物に価値がない場合に免責にすることが多いです。(fudousan-hacker.com

下の、不動産屋さんのブログが内情を説明していてわかりやすかった。

  • 個人間の取引であっても売主さまが瑕疵担保責任を負う期間は2ヶ月~3ヶ月となっております
  • (瑕疵担保責任免責を)実務上はこんな感じで不動産仲介業者の方から売主さまにご提案することがほとんど
  • 「瑕疵担保責任免責」という表記なのですが今のところポータルサイトに掲載されている物件や不動産広告には残念なことにほとんど記載がありません。。。(不動産を瑕疵担保責任免責で売りに出すケース ameblo.jp/g-tsuyuki

これを読む限り、やはり疵担保責任免責物件というのは普通ではないような印象を受けます。

  • 通常は 売主=個人 買主=個人 いわゆる個人間で行われる 不動産売買に関しましては 瑕疵担保責任に関する期間に 明確な取り決めがない、、、 のが現状なのです。。。
  • 一般的には 個人間による 不動産売買の場合でも お引き渡しから2ヶ月 または3ヶ月の間 売主さんが 瑕疵担保責任を負う 期間がついてきます。
  • 実務上は 築20年以上とか 築30年以上経過している 古い不動産を売りに出す時に 瑕疵担保責任免責 という表記をいれて 売りに出すというわけです。
  • 基本的には 不動産会社が 決めてたりしますよ~笑 正確には 不動産会社の営業マンが 売主さんと話し合って 決めている ですね。(瑕疵担保責任免責とは?ameblo.jp/g-tsuyuki

と思ったのですが、下の別のサイトでの議論を見ると、個人が売主ならむしろ免責が普通との意見が多数です。

  • 個人の売主が瑕疵担保責任を承諾してくれるケースはあくまで「売主の好意」です。また、中古物件で売主が個人の場合、瑕疵担保責任が付くのは殆ど「中古マンション」の場合です。一戸建等では現在余程築浅物件で無い限り「瑕疵担保免責」で契約するのが通常です。そして、瑕疵担保が付く場合も一般的に瑕疵担保期間は「2ヶ月~3ヶ月」です。
  • 売主さんが個人の場合、瑕疵担保責任はないのが一般的です。
  • 普通だと思います。なくす特約ではなく付けていないのです。(瑕疵担保責任なしは普通でしょうか? 教えて!ぐー

投資用物件だと普通みたいですね。

  • 中古の投資用不動産、売主が個人の場合はほぼ100%の売買契約において、「瑕疵担保責任を免除する」という一文が盛込まれています。
  • 瑕疵担保の期間は個人の売主なら2~3ヵ月間の設定が多い (http://kushitsu-kaizen.com

悩ましい状態が改善しませんでした。絶対におかしいとはいえないが、何かそうしたい理由はありそうということでしょうか。結局、ネットの不動産ポータルサイトでは疵担保責任免責と単に書いていないだけで実際には疵担保責任免責ということが多いのかもしれません。憶測ですが。毎回、確認する必要がありますね。ネットの情報には書いていないだけとうのであれば、書いてあったものをどうこう悩む必要もないわけで。

 

瑕疵担保責任免責物件にはホームインスペクション

瑕疵があるかどうかなんて素人にはわかりませんから、疵担保責任免責物件を購入する場合には専門家による調査をお願いするのがよいらしいです。しかしお金がかかります。不動産屋さんの営業さんは電話口で、インスペクション代は5万~7万円くらいだろうと言っていましたが、上記ウェブサイトには50万円前後が相場とあります。この著しい乖離は何でしょう?

瑕疵を知っていたのに隠して売った場合には、瑕疵担保責任免責は無効なようですが、知らなかったで押し通されたら、買う側としては知っていたことを立証するのなんて無理な話ですから泣き寝入りでしょう。

免責物件でもいいという買主でなければ売りませんと言っているらしいのです。因みに検査内容はシロアリ、雨漏り、不同沈下のセットで 天井や床下に潜ることはなく、点検口からの目視が主な検査です。(実は今回、中古の瑕疵担保免責物件の購入に当たって、契約前に建物検査をすることになりました。 現在居住中のオーナーから 検査を断られています YAHOO!JAPAN不動産

不動産購入にあたっての考え方

戸建でも同じですが、建物は20年以上経つと、必ず交換するものが出てきます。洗面台やトイレの交換、究極はキッチンリフォームや浴室のリフォームです。水周りを交換すると、大金がかかります。(瑕疵担保免責の中古マンション購入について 2013/12/2910:24:25 YAHOO!JAPAN知恵袋

結局のところ、個人が売主なら瑕疵担保免責は珍しいことではないようですね。