無理ゲー社会などの著者、橘 玲氏の『80’s エイティーズ ある80年代の物語 』を読んだ。1980年代は日本が一番バブリーだった時期だと思う。クリスマスはおしゃれなホテルに泊まってディナーとかが当たり前とされるようなそんな世の中だったように思う。自分はそういう煌びやかな生活とは縁がなかったが。株価は右上がりで、イケイケのノリが日本中を覆いつくしていた。夜中にテレビをつけると、深夜番組の生放送で全裸の女が踊り狂っていた。
橘 玲氏は、そんな80年代に雑誌社で編集の仕事をして世の中に対して情報発信をしていたのだそうだ。80年代が人生の若い時期と重なる人間にとっては、この『80’s エイティーズ ある80年代の物語 』は感慨深いものになるだろう。
この本で一番ぐさっときたのは、お金のために死ぬほど働いていて1か月間忙しすぎて家に帰っていなかった夫(橘氏)が家に帰ると、生まれたばかりの子供が寝かしつけられている横で妻が放心状態で座っていて、発したセリフ、「これから、どうなるの?」でした。
自分もお金に苦労した生活をしているだけに、このシーンには心が苦しくなりました。橘氏の雑誌の編集の仕事やライターとしての仕事はその後順調になったみたいで、お金の心配からは解放されたようなのでよかったのですが。
あと面白いと思ったのは、今ではインターネットで様々な情報が発信されていますが、インターネットがまだなかった当時は、本屋雑誌がその役割を担っていたという記述です。なるほどねと言う感じです。