石井裕之氏は催眠療法を行うセラピストとして活動されていたほか、コールドリーディングなどもやっていたのだと思いますが、その後、パーソナルコーチとしての活動を行って多数の書籍を執筆されていました。自分も自己啓発関連の著作を何冊か読んだことがあります。うちの本棚をみてみたら、9冊もありました。石井裕之マニアですね。ちなみにDMのCDセットもあります。もともと、石井氏を知ったのは、自分が催眠に興味を持って催眠関連の本を読みまくったからでした。
石井氏はしばらく本は出していなかったのですが、11年ぶりの著作となる『私の中のこの邪悪な感情をどうしよう?』が2022年4月1日に祥伝社から出版されていました。初の著者『ダメな自分を救う本』が祥伝社からの出版でしたが、その後は、フォレスト出版から多数の本を出していました。フォレスト出版は自分には金儲け臭がプンプンする出版社に思えるのですが、11年ぶりの著書が祥伝社からというのを見て、原点に回帰したのかと思いました。
石井裕之氏のビジネスは2ちゃんねる(今は、5ちゃんねる)で結構厳しく批判されていて、賛否両論あるようです。
参考:嘘つき【石井裕之その10】無責任(5ちゃんねる)
今回、久しぶりに名前を聞いたので、本棚から原点となる処女作『ダメな自分を救う本』を取り出して、読み返してみました。買って読んだ当時にたくさん線を引いているのですが、今読んだときに線を引きたくなる場所が、異なっていることが面白いと思いました。自分の状態がそれだけ変化したということなのでしょう。
自分はDM以外は本を読んでいただけなので、それらの中身はまっとうだし面白いことが書いてあるなあと思っていました。自分が『ダメな自分を救う本』で救われたかというと、当時はたくさんの本を読みまくっていたので、どの本が良かったのかということはわかりませんし、もがき苦しんでいただけで、何かが特効薬のように効いたとも思いません。単に、悪い状況が去った、たとえていうなら、熱帯低気圧の中にいたのだが、それが頭上から通り過ぎてくれてお天気が回復したといったことだったように思います。人生の良し悪しは、自分の行動と周囲の環境(周りの人の行動も含めて)との相互作用で決まるので、これを一粒飲めば病気が治りますというようにはいかないのでしょう。あれこれ試しているうちに、複合的な効果で状況が良くなっていくものなのかもしれません。
さて、『私の中のこの邪悪な感情をどうしよう?』についてですが、自分はもともと人をやっかんだりといった邪悪な感情を持ち合わせていないので、今すぐこの本を読みたいとは思いません。まわりにそういう人がいたときにどうやって付き合えばいいのか悩むことがあれば、読む機会が訪れるかもしれないといった程度です。
人生はあきらめが大事。自分にできることしか、できない。自分が若かったときは、120%の努力を常に続けていれば、できなかったことができて、思いもしなかったようなところまで到達できると信じていました。現実はというと、120%の努力を常時続けるのは不可能で(瞬間的には必要なことがあっても)、80%程度の努力を絶やすことなく続けて、自分の進みたい方向を間違えずにいることが、行きたいところまでたどり着くベストの方法のような気がしてきました。つまり、きばって努力するより、リラックスして努力(努力という言葉は不要で、集中といったほうがいい)したほうが、良い結果につながるし、そもそも毎日をハッピーに生きられるんじゃないかと思います。