品川駅は構内に美味しそうなお店がたくさんあって、大宮駅もそうだけど、見ていてとても楽しい。ケーキ屋さんのショーウインドウには色とりどりのケーキが並ぶ。どれも500円を超えるものばかりで、眼の保養だけして素通りせざるをえない。

しかし、たまにはいいかと思ってフルーツのショートケーキを2種類買ってみた。

お店：Quatre　都内にいくつも支店があるが、本店は柿の木坂店みたい。

味の評価：まあ、ふつう。期待を超えるものではなかった。540円といった値段を考えれば、もう一度買いたいとは思わないかな。これが250円のショートケーキだったら、まあ、おいしいんじゃない？という評価だったろう。

人間の味覚というのは、音楽の鑑賞と同じでバシッと来るかどうかを敏感に判断できる。ピアノの音が、演奏家によってコントロールされていない状態で鳴らされたものであれば、そう感じるし、意図をもって出されたものであれば、その意図を感じ取ることができる。ケーキの味もそう。つくりとが明確なイメージを持って、出したい味をバシッと決めてつくったものであれば、それが伝わるもの。そういう意味でいえば、Quatre（キャトル）のショートケーキには作りての意図がまったく感じられなかった。モンブランとかも美味しそうに見えたが、この味の評価に関していえばショートケーキが一番わかりやすいと思い、今回はショートケーキにしてみたというわけ。

本当に美味しいケーキ屋さんてなかなかないと思った。そりゃ、それなりの値段するので、それなりの材料でスポンジケーキ、クリーム、フルーツとつくって合わせれば、それなりの味がして当たり前。出したい味を出しているのかは、全く別の問題。そこにパティシエの意思、意図があるのかどうか。Quatre（キャトル）のショートケーキにはそれが全く感じられなかった。