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知らずに放置しているととても怖い「睡眠負債」

睡眠負債とは?

睡眠は人間にとって欠かすことのできない営みです。その睡眠が足りなくなると、身心に不調をきたすことになります。睡眠負債(すいみんふさい)、英語だとSleep debtは、スタンフォード大学のWilliam C. Dement 教授が提唱した概念で、お金が足りなくて負債が増えていくのと同じで、日々の睡眠不足が貯まっていくと、やがてうつ病などのリスクが大きくなってしまうということらしいです。恐ろしいのは、自分では睡眠負債の状態におちいっていることになかなか気付けないこと。

睡眠負債を知る

あなたの睡眠負債はどれくらい貯まってしまっているのでしょうか?仕事でミスが増えてしまったり、家事がてきぱきできなくなっていたりしたら要注意です。NHKのこの番組がわかりやすく睡眠負債を解説しています。眠りの「借金」がつもりつもってやがて返済できないくらいになってしまうと、身体や心が壊れてしまう恐れが出てくるのです。

NHKスペシャル「睡眠負債が危ない~“ちょっと寝不足”が命を縮める~」 2017/06/18

 

睡眠負債額を知る方法

NHKの番組で紹介されていた睡眠負債額を知るほうほうというのは、時計を見れないようにして、窓からも光が入らないようにして、夜いつもと同じ時間に寝ます。いつもと同じように目が覚めれば、負債はなし。;しかし、普段よりも長い時間眠って起きられなかったら、その、いつもとの差が負債ということになります。NHKの調査だと、この測定方法により6割もの人が、睡眠時間がふだんよりも2時間以上も長くなっていました。2時間以上というのは、睡眠負債のリスクが高いとみなされるのだそうです。

 

睡眠負債の怖さ

がんのマウスを使った動物実験によれば、マウスから睡眠を奪うようにしてやったらがんの大きさが大きくなったそうです。免疫の働きが落ちるためと理解されています。がんだけでなく、認知症のリスクも増加するそう。睡眠を奪われたマウスでは、アミロイドベータとよばれるタンパク質が脳に蓄積されていたという実験結果もあります。アミロイドベータというのは、認知症の患者さんで脳に蓄積することが知られているもの。

人間のデータでも、40代、50代のときにとっていた睡眠時間が短かかったグループのほうが、長かったグループよりも認知症の発症率が1.6倍も高かったそう。やはり、しっかり8時間くらいの睡眠時間は確保したいということです。

睡眠負債が大きいほど、集中力や注意力が落ちてしまうそうです。徹夜は論外ですが、6時間睡眠のグループでも気付かないうちに集中力や注意力は日ごとに落ちていくのだそうです。自分は6時間で十分とおもっていても、実は自覚していないだけで、大学の先生がちゃんと実験して調べてみると注意力の低下が明らかにされたというわけです。

 

何時間眠ればいいの?

睡眠の先生は、7時間前後、7時間~8時間をすすめていました。しかし、年齢にもよるし、日中の活動量にもよるので、はっきりとはいえないそうです。

 

あなたの睡眠負債のリスクはどれくらい?

実際に真っ暗な部屋で睡眠をとるのは、できない人もいるでしょう。質問集によって、睡眠負債のリスクを調べる方法が紹介されていました。睡眠負債のリスクがわかる8つの質問とは?

  1. ここ一ヶ月の寝つき(布団にはいってからねむるまでに必要な時間は?寝つきは良い:0点、少し時間がかかる:1点、かなり時間がかかる:2点、非常に時間がかかる:3点
  2. 夜間、睡眠途中に目がさめることはありますか?問題なし:0点、少し困る:1点、かなり困る:2点、深刻な状態:3点
  3. 希望する起床時刻よりも早く目覚め、それ以上眠れなかったことはありましたか?ない:0点、少し早く目が覚めた:1点、かなり早く:3点、非常に早く:3点 (目覚めた時刻の早さに関する質問)
  4. ここ一ヶ月の総睡眠時間はどうでしたか?十分でしたか?十分:0点、少し不足:1点、かなり不足:2点、全く不足:3点。
  5. 全体的な睡眠の質はいかがですか?満足:0点、少し不満:1点、かなり不満:2点、非常に不満:3点
  6. 日中の気分はいかがでしたか?いつもどおり:0点、少しめいる:1点、かなりめいった:2点、非常にめいった:3点
  7. 身体的、および精神的な、日中の活動についてはどうだったでしょうか?いつもどおり:0点、少し低下:1点、かなり低下:2点、非常に低下:3点
  8. 日中の眠気はありましたか?まったくない:0点、少しある:1点、かなりある:2点、激しい:3点

自分もこれをやってみました。0+0+1+3+2+2+3+3=14点でした。結構、睡眠、やばいです。ほんと、一度ぐっすり眠ってみたいです。全然足りていません。

さて、判定ですが、10点以上:リスク高、6~9点:リスク中、5点以下:リスク低 という解説がありました。自分の場合、めちゃくちゃハイリスクのゾーンにいますね。

寝だめはできる?

睡眠の専門の先生いわく、人間は寝だめはできないものなんだそうです。

 

睡眠負債を解消するヒントは?

先生のアドバイスは、いつもより1時間はやく就寝して、いつもより1時間遅く起きることで、+2時間を確保してみてはいかがでしょうということでした。

 

日本の睡眠

上記のNHKの番組では視聴者がリアルタイムで答えていて、25万6千395人が回答して、結果はというと、平均睡眠時間が5時間58分。リスク高の人が40%、リスク中の人が39%、リスク低が21%でした。

 

睡眠負債の返済 まずは+1時間

睡眠負債を返済するとどんだけいいことがあるのか?バスケットボールの選手の睡眠時間は平均が6.5時間。監督がもっと寝るように支持したら8.5時間になったそう。すると3ポイントシュートの成功率が上がったり、ダッシュのスピードがあがったりと、目に見える効果が出たんだそうです。やる気アップにも、睡眠負債の返済が有効なんだそうです。とりあえず毎日+1時間でもいいから、返済をしていきましょうとのこと。NHKの番組内でのテストは、+1時間を一週間続けた人たちは、計算テストが11人全員のスコアがアップ。握力テストも、左右とも増加したんだそう。睡眠って本当に大事なんですね。

 

寝つきを良くする方法

睡眠負債を返済するためには、寝つきが悪いと困ります。夜ベッドに入ってからスマホをいじり続けたりするのはよくないんだそうです。SNSをやったり動画を見たりすることは、ベッドにはいったらきっぱりとやめたほうがいいそうです。